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渡辺 裕一*; 及川 哲邦; 村松 健
20th CNS Nuclear Simulation Symposium, p.1 - 10, 1997/00
地震に関する確率論的安全評価(PSA)を実施する上で機器応答の相関性を考慮することは、重要な課題とされている。機器応答の相関は、機器損傷の積と和の発生確率に影響を与えるが、従来の手法では、積に対する影響のみを考慮するか、和への影響も考慮した場合には完全相関に限定して解析がなされてきた。本研究では、モンテカルロ法により、フォールト・ツリーを直接定量化する手法を開発し、部分相関の場合を含めて、相関が機器損傷の積だけでなく和に与える影響も考慮して、システム機能喪失確率を計算することを可能とした。この手法により、BWRの残留熱除去系のシステム機能喪失確率を求めた。この結果、機器応答の相関は機器損傷の和の発生確率に影響を与え、この影響を無視するとシステム機能喪失確率を過大評価する場合があることがわかり、本手法の有用性が示された。
村松 健; 氷見 正司*; 天笠 克広*
20th CNS Nuclear Simulation Symposium, p.1 - 10, 1997/00
近年、確率論的安全評価(PSA)手法を原子力発電所の運転管理や規制上の意思決定に役立てる試みが各国でなされている。現実の意思決定には不確実さの把握が重要であるが、PSAの不確実さの評価手法は、不確実さの定義を含めて十分には確立されていないのが現状である。本研究では、原研で開発された内的事象に関するレベル2PSA手法を基礎として、その手法で得られるソースターム超過頻度曲線(ソースタームで表現されたリスク曲線)の不確実さを評価する手法とそのための計算手法を提案している。その手法の特徴は、不確実さ因子について、従来地震のPSA以外の分野では区別されていなかった知識不足によるもの(epistemic uncertainty)と現象の不規則さによるもの(aleatory uncertainty)を区別して扱うことにより、不確実さの要因をより明確にし、不確実さの低減に役立てることができることである。